第20章 いざ!出陣! 【20】
?「娘よ、おぬしはここの主か?」
『えっ?あっ…そのただの居候です…主って呼ぶ人もいるけど…ぬしさまとか、大将とか…色々です』
小烏丸「はははっ!そうか、主なのだな。我は小烏丸と言う」
『小烏丸さん?』
小烏丸「あぁ、我は日本刀の父のようなものよ」
『父?皆のお父さん?』
小烏丸「そうだ、我もここで世話になるぞ?」
『お父さん!こちらこそよろしくお願いします!』
軽く頭を下げてニコッと笑って見せると
小烏丸「うん、主は泣顔より笑っている方が良い、さっきはなぜ泣いていた?そんなに亀甲がコワかったのか?」
『あ、うん、亀甲もコワかったけど…亀甲に会う前に一人、手入れしたんだけど、その人を怒らせちゃって…逃げて来ちゃった』
小烏丸「其奴の名は?」
『うぅ、名前聞く前に怒らせちゃって逃げて来ちゃったから…でも鶯丸さんが何か言ってた。鶯丸さんと仲良しなのかな?』
小烏丸「それなら其奴は大包平だろう」
『大包平さん?…あ~鶯丸さんがそんな風に呼んでたかも!』
小烏丸「そうか、我が大包平を一言叱ってやろう」
『えっ!?ダメだよ!大包平さんは悪くないよ!私が断りもなく勝手に手を握って手入れしたから俺に触るな!って怒らせたんだし…謝らないと』
小烏丸「ならば我も一緒に行こう」
『お父さんも一緒に来てくれるの!?』
小烏丸「あぁ、この父がついている、心配はいらぬ。大包平が何かしようとしたら首を落としてやろう」
『おっお父さん!そこまでしなくていいからね!?』
小烏丸「そうか」
すると小烏丸さんが手を差し出し私はそれを握ると、二人で広間へ向かった
一方亀甲は
亀甲「ご主人様ー!ご主人様ー!」
走り回って広間へたどり着いた
皆「亀甲!?」
亀甲「ご主人様は?ご主人様どこに行ったか知らない?」
長谷部「主はここにはいない!亀甲!貴様、主に何かしたのか!?」
亀甲「僕は何もしてない!むしろご主人様から僕に抱き付いて来たのに照れちゃってどこかに行ってしまったんだ…小さくて可愛くて暖かい僕のご主人様…」
亀甲は自分の体を抱き締めていた
長谷部「お前の主ではない!」