第18章 いざ！出陣！ 【18】

かくかくしかじかと先程にっかりさんに騙された事を話した


石切丸「はははっ、それは随分驚いただろう？」


『笑い事じゃないよ！？本気で心配したんだから！』


私は石切丸さんに抱き付いたまま彼を見上げて抗議した


太郎「主、戻りました」


膝丸「戻ったぞ」


『あっ！二人ともお帰りっ！ぅわあ！』


石切丸さんからヒョコッと顔を出すと膝丸さんがズタボロになった何かを担いで広間に入って来た


『ななな、何で化け猫持って来たの！？危ないよ！？』


石切丸「はははっ、主？彼は南泉君だよ？」


『へっ！？彼！？なんせん…君？』


私はまた、石切丸さんの陰からズタボロの彼を覗くと、膝丸さんが担いでいた南泉君を畳に寝かせていた
すると、南泉君は小さくニ゛ャーと鳴いた


『おぅ…酷い怪我…手入れするから暴れないでね？』


私は南泉君に近寄ると、側に座り彼の腕に触れると手入れをした

すると、彼の目がパチッと開き起き上がった


南泉「ん？う～ん、ぉお！キズが治ってる！これなら呪いも解けてるはず！ニ゛ャー！………あれ？」


『え？』


すると、南泉君は隣に座っていた私に気付くとパチッと目が合った


南泉「あんたが手入れしてくれたのか？」


ズイッと顔を近付けられた


『っ！ちちち、違います！』


私は仰け反り後退ると南泉君は私を追ってまた近付く


南泉「ふーん、じゃあ、あんたは何だ？主じゃないのか？」


『わわわっ、私はただここに居候してるだけのヤツです！ごめんなさい！』


それでも私に近付く南泉君が怖くて泣きそうになると、石切丸さんが私を抱上げてくれた


『わっ！』


石切丸「南泉君？主をいじめないでくれ」


南泉「やっぱり、あんた主じゃないか」


『ごめんなさいぃ～！』


石切丸さんの首にしがみついて謝った、そして石切丸さんにだけ聞こえるように話し出す


『どうしよう…手入れ失敗したんだ私…何かまだ治ってないみたいな事言ってたし…どうしよう…』


石切丸「主、心配いらないよ？ちゃんと手入れできてるよ」


『ほんと？じゃあ何で南泉君は、あれ？ってなったの？』


石切丸「南泉君」


南泉「ん？」