第18章 いざ!出陣! 【18】
三日月「はっはっはっすまん、すまん」
三日月さんは私の背中を擦りながらも楽しそうに笑っていた
『もぉ~はぁ~気付かなかったとは言え、三日月さんの、お茶飲んじゃったよ?ごめんね?』
三日月「構わん、次は口移しで飲ませてやろう」
すると三日月さんは私の肩を抱き寄せ顎をクイッと持上げられると至近距離で見詰められた
『ちょっ!やめっ!………ん?ぉおーー✨三日月さん!凄い!』
三日月「何だ?」
私は三日月さんの正面に回り込み彼の肩に手をつき膝立ちするとまた目を覗きこんだ
『三日月さんの目の中に三日月さんがいるよ!?綺麗だよ!?ゎあ✨ゎあ✨』
三日月「はっはっはっ、そうか?」
三日月さんが笑うと目が細くなり瞳の三日月が隠れてしまった
『あっ!隠れちゃった………ぉわーーー!』
自分から近付いておきながら顔の近さに驚いて仰け反ると、縁側から落ちそうになった
勿論、三日月さんが手を引いてくれて落下は免れたが、そのまま胸におさまると、背中をポンポンされた
三日月「やれやれ」
『ねぇ~三日月さん?言いたい事わかるよ!落着き無いって言いたいんでしょ?』
三日月「自覚はあるようだな?」
『なっ!………むぅ~返す言葉が無いです』
三日月「はっはっはっ」
江雪「主、小夜達が来ましたよ、良いのが出来たようですね?」
『えっ?よしっ!今度こそ見せて貰おーっと!』
私は三日月さんの腕からすり抜けると縁側を飛び降り天使達に駆け寄った
『出来た!?見たい!見たい!』
すると天使達はまた、一斉に持っていた物を後に隠した
薬研「まだダメだ」
『え~…小夜ちゃん、蛍君…』
蛍丸「まだダメ」
小夜「うん、ダメ」
『ぇえ!?』
巴形「こっちもいいとこ出来たな」
そんな巴さんの声を聞くと天使達がタンスの方へ走って行った
乱「ちょっと大人組!主さんに見られないように壁になって!」
太郎「それくらいの手伝いはしましょうか」
江雪「そうですね」
『ぇえ!?うそぉ!?こりゃ鉄壁だわ』
大人組はタンスの回りをグルリと囲むように壁を作った
山伏「カッカッカッ!見たければ拙僧を倒して行かれよ!」