第18章 いざ!出陣! 【18】
『ん?皆、なに見てるの?』
どうやら皆は門の方を見ているようだった
すると、膝丸さんがスッと私の隣にくると肩を抱き寄せた
『膝丸さん?どうしたの?』
膝丸さんは目は門に向けたままだった
膝丸「何か来る」
『えっ?何かってなに!?なに!?』
石切丸「う~ん、悪い気は感じられないんだけど」
にっかり「うん、何だろうね?見に行ってみるかい?」
石切丸「そうだね」
そうして二人は門へ向かった
『えっ?ちょっと!?二人とも危ないよ!?』
私は二人を追って駆け出すと今度は腕をガシッと誰かに掴まれた
大倶利伽羅「あんたはここにいろ」
『でも!』
大倶利伽羅「あの二人に任せておけば大丈夫だ、悪い気は感じられないと言ってただろ」
『うぅ~』
そうして二人の後ろ姿を見ていると二人が門にたどり着く前に門が少し開き、その隙間から人が入ってくると、その人はドサリと倒れた
『ひっ!何か来た!恐い!恐い!恐い!』
大倶利伽羅「行くか?」
『ヤダ!』
大倶利伽羅「ヤダ!?」
博多「主ー!俺がついてるばい!」
『博多君!?』
博多「主に害を加えようとする奴だったら俺がそろばんの角でぶん殴ってやるばい!」
『あははっ!それ絶対痛いよね!?じゃあ一緒に行こう!』
そうして私は博多君と手を繋ぎ門へ向かった
大倶利伽羅「そろばんに負けた…」
門に近づくにつれ倒れている人がみえてくる、それと一緒に石切丸さんとにっかりさんの話し声も聞こえてきた
石切丸「君は不動君だね?大丈夫かい?」
にっかり「不動にしてはちょっと違うねぇ」
不動「うっ!……うぅ………」
博多「不動!?俺と同じ短刀ばい!主!早く!」
博多君は私の手を引いて走り出した
『ぉわーーー!速い!速い!転ぶー!』
石切丸さんの背中が目前に迫ると博多君は私の手を離し彼等をピョーンと飛び越え不動君の横に着地した
勿論私は飛び越えられるはずもなく、そのまま石切丸さんの背中に激突して尻餅をついた
石切丸「おっと!主?大丈夫かい?」
石切丸さんに手を引かれ立たせてくれると土を払ってくれた
『痛い…鼻もお尻も痛い…』
博多「不動!?しかも極!!」
にっかり・石切丸「極!?」
『ん?』