第5章 Shake it !
【翔side】
潤のくれる甘い刺激が、俺の思考を奪っていく。
気持ちイイ...もっと欲しい...
少し前までの俺は、セックスに対して、どちらかというと淡白な方だった。
彼女と一緒に居ても、その先にそういう行為がなくても、別にそれで構わない...
嫌いじゃないけど、特に大好きで堪らない、という程でもなくて。
仕事で疲れてるときは、正直面倒だって思っていた。
そんな風に、デート終わりに、明らかに誘っている仕草の彼女に、気付かない振りしてあっさり帰してしまったり...
そんなことを繰り返すうちに、気が付けば振られていた。
女性の方から積極的に来てくれるから、恋人は直ぐにできるけど、どうも長続きしないのは、そういう事が原因だったんだろう...
それが分かっていても、だから会うたびに頑張ろうとか、そんな気持ちには、到底なれなかった。
それが、ここ1ケ月の俺ときたら...
何かが壊れて...俺は、変わったのかもしれない。
...もしかしたら、こういうことだったのかも...
求めるものが、根本から違っていたから?
認めたくないと思う気持ちの裏で、目を反らしている訳に行かないことに気付いてる。
だって、俺は....
「..ああっ...潤...もっと..もっと、ちょうだい..」
「翔さん..綺麗...可愛い...俺のものに..なって」
泣きそうな目で、潤が俺を突き上げる...
そんな顔しないでよ...
潤...
「...じゅん...」
突き出された両腕の中に、潤が飛び込んでくる。
隙間なく抱き合って、潤は激しく俺を揺さぶる。
「...翔さん..好きだ...しょうさん...あいしてる...」
「潤...」
潤に気持ちイイところを繰り返し突き上げられ、ともすれば途切れてしまいそうになる意識の中...
潤の抽挿のリズムに合わせ、ゆらゆらと揺れる自分の脚を見つめていた。
どこまで堕ちていくんだろう...
この歪んだ関係の先に、俺は何を見つけるんだろう?
ただ、今は...
今この瞬間は、身体と心と、全部で潤を愛したい。
それだけ...
「...翔さん...もう..俺..」
「潤...一緒に...」
「ああ、翔さん..嬉しい...夢なら冷めないで..」
泣きそうな潤が可愛くて、愛しくて、
俺はその背中をきつく抱き締めた。