第3章 Amore
【雅紀side】
俺は大急ぎで飛び起きた。
鞄から携帯用のローションを持ってくるために...
その瞬間、腰に巻いたタオルがハラリと落ちたけど。
そんなこと構っていられないよ(^^;
まっぱの俺は、転がるようにリビングに戻り、無造作に置かれた鞄から、小袋をひとつ取り出した。
...良かったぁー(〃∇〃)持ってて。
こんなこともあろうかと、いつも何個か忍ばせてるんだ。
どんな事期待してるんだよ~!
って、前にニノに笑われたけどさ~...
ほらね?役に立ったじゃん!
転がるようにベッドルームに戻り、
「は、はい、これ...一回分です!」
すると翔さんは、
「ふふふっ、準備良過ぎで引くわ!」
って...
え―――っ!?
そ、そんなぁ~(´;ω;`)
「な~んて、うそうそ!そんないつも一生懸命な雅紀が、何か、いいな、って思ったんだ...それだけ!」
「えっ...」
泣きそうな顔した俺に、翔さんはそう言うと、
「おいで」
と両手を広げてくれた。
「翔さ~ん!!」
....縺れあって、ベッドに沈む。
絶対にノーマルなはずの..
正確には、ノーマルだった筈の翔さんが、微妙になれてるのが、少し面白くないけどね。
その向こうでへらへら笑ってる大野さんが見えるから...
でも俺、負けたくない!!
翔さんを誰にも渡したくない...
大好きな笑顔...俺だけのものにしたいから...
「...あぁ..翔さん..好きです..」
「..雅紀...可愛い..」
彼の熱い唇が...俺の肌を少しずつ下に這う。
その刺激に、粟立つ俺は、
気が付いたら泣いてて....
「泣くなよ...雅紀...」
大好きな人が....
手が届くなんて、夢のまた夢だった人が....
ゆっくりと俺の中に入ってくる。
痛みは直ぐに喜びへと変わる。
中で感じる熱い違和感。
その感覚をもっと身体に刻みたくて、
彼の首に腕を伸ばして引き寄せる。
....ああぁ、翔さん。
あなたが好きです。
ずっと欲しくて恋焦がれていた。
「...翔さん...もっとちょうだい...もっとシテ...」
翔さんが、そっと唇で涙を拭ってくれるけど、その行為に、俺の涙はまた溢れるんだ。
神様どうか!
この人を俺にください!
他には何にもいらないから。
俺たちは、
一緒に登り詰めた。