第3章 Amore
【和也side】
「俺らに教えてくんない?か・ら・だ・で❤」
俺と潤くんが詰め寄ると、大野さんは怯えた顔で後退りした。
「え…え!?」
「ねぇ、いいでしょ?」
潤くんにチラッと目配せすると、わかってるよって感じで頷いて、素早い動きで大野さんの後ろに回り込み、羽交い締めにする。
さすが!
入社の頃からの付き合いだから、以心伝心だよね~俺たち。
「松潤、なにすんだっ!」
「なにって、ナニすんだよ」
潤くんが耳元で囁いてやると、大野さんはびくっと震えた。
わかる。
潤くんってこういうときやたらエロい声出すからさ、耳元で囁かれた日にゃぁ、ゾクゾクして動けなくなるんだよ~。
「や、やめろって…」
「なんで~?大野さん、エッチなこと大好きだろ~?」
「ん、んなことねぇしっ…」
「嘘ばっか。ねぇ、気持ち良くしてあげるよ、智」
関係ない俺でもゾクッとするような低音で囁かれて。
大野さんはまたびくっとなった。
「名前で呼ぶの、反則っ…」
「だって、いつもセックスの時は名前で呼ぶじゃん♪」
「だからっ…」
微かだけど、息が弾んでる。
ちょっとふっくらしたほっぺが、ほんのりピンク色に染まってく。
潤くんの声だけで、感じちゃってるんだね~♪
それまで傍観を決めてた俺も、手を伸ばして大野さんの股間をスルリと撫でてやる。
「あっ…」
小さく叫んで身悶えた大野さんのそこは、もうちょっと形を変えてた。
「あれ~?智ったら、もうこんなにしてんの~?」
俺はそんな呼び方したことなかったけど、便乗してみた。
また、大野さんが震えた。
「ニノっ…それやめろっ…」
「なんで?いいじゃん。潤くんだけ智って呼ぶの、ズルイ」
「はぁ!?何言って…」
「ねぇ?これからセックスするときは、俺も智って呼んでいい?」
「だ、だめ…」
「なんで~?」
「だって…俺、もうおまえらとエッチしないしっ…」
「なんでさ?」
「だって、翔くんと約束したもんっ…」
ああ、そういやさっき、去り際にそんなこと言ってたな…
でも、さ。
「ここ、こんなにしてんのに?」
緩い力でスラックスの上から刺激してただけなのに、大野さんのそいつはもうすっかり元気満タンになっちゃってて。
「素直に言いなよ?気持ちよくして欲しいんでしょう?」
鼻先で揶揄うように笑うと。
瞳の奥が、ゆらりと揺れた。