第2章 unknown
【智side】
俺の発言に、部屋中が凍り付いたように固まった。
ニノと松潤は、ものすっごい顔で睨んでっけどさ。
最初に暴露したのはそっちじゃねぇかっ!!
それに、俺が知らないとでも思ってたみたいだけど。
残念でした~!
知ってたもんね!!
俺だって、いつもボケーッとしてるわけじゃねぇし!
「…おまえらもかよ…どうなってんだ、うちの部は…」
翔くんがこめかみを抑えて唸った。
「お、俺は櫻井さん一筋だよっ!?」
相葉ちゃんが慌てて腕を取るけど。
「智くんとセックスしてんだろ…」
ぎろりと睨まれて、口を噤んだ。
「あ~もうっ!わけわかんねぇ!」
頭をぐしゃぐしゃと掻き毟って、翔くんは勢いよく立ち上がる。
「もう、わけわかんないから、とりあえず順番に付き合ってやる!いくぞ!相葉っ!」
「は、はいぃっ!」
今の今まで、混乱しておろおろしてたのに。
なんかの線がブチ切れたのか、いきなり会社でいつも見る鬼課長の口調に変身して、相葉ちゃんの腕をガシッと掴んで。
「智くん、大人しく待ってろよ!」
「は~い❤」
俺にだけそう言い残し、相葉ちゃんを引き摺るようにして部屋を出て行ってしまった。
俺は両手を振ってそれを見送る。
「…大野さん、ズルイ」
静かになった部屋の中、嫉妬メラメラの瞳で松潤が睨んだ。
「ズルくない!元々は俺が付き合うことになってたのにさ~!なんで横入りしてくるんだよ~」
「そんなの、許さないに決まってるでしょ?なに抜け駆けしてんですか」
ニノも珍しくムッとした顔でビールを煽ってる。
「抜け駆けじゃねぇしっ!それに、なんでバラしたんだよ~!せっかく今まで翔くんと築き上げてきた関係、台無しにしてくれちゃってさ~!」
「だって、事実でしょ。そっちだって俺と潤くんのこと、バラしたし」
「…どうせなら、相葉くんのもバラせば良かったのに」
「あ、忘れてた」
松潤が呆れたようにため息を吐いた。
「まぁこれで?みんな同じスタートラインに立ったんだし。負けませんから」
目線の高さまでグラスを上げて、ニノがニヤリと不敵に笑う。
「俺も。最後に櫻井さんをもらうのは俺だから」
松潤も、それに習ってグラスを上げる。
「俺だって!ぜって~負けないからなっ!」
俺もグラスを持つと、勢いよく2人のグラスにぶつけてやった。