第7章 まだ見ぬ世界へ
【雅紀side】
……気持ちいいな…
何とも言えない温かい腕に包まれている…
「…しょう…さん…❤」
大好きなあの人の顔がそこにあると信じて目を開けると、そこには翔さんよりもずっと濃い…顔が…
「松潤…」
……思い出した…
夕べ、翔さんを大野さんに持ってかれて取り残された俺たちは、リビングでヤケ酒飲んでて…
んで、何となく流れでこうなったんだ。
「はあ~…」
「雅紀、起きたの?今、パン、焼けるよ♪」
起き上がった俺に、翔さんが微笑みかける。
キッチンには、夫婦みたいに仲良く並んでいる大野さんと翔さんがいた。
もお~///いつまでも独り占めしてんなよ!
「ねえ、翔さん、ちょっと!こっち来て!」
「な、なんだよ?俺今、パン焼ているんだけど…」
翔さんを、半ば強引に廊下に連れ出して、
「ねえ、お願い!今夜は俺と二人だけで過ごして!」
「え…でも…」
「お願いだよ~!もう俺、翔さん不足でおかしくなりそうなんだもん!」
そう言いながら、翔さんをぎゅっと抱き寄せた。
「ふふっ、いいけどさ…まだ朝だから、なんか着てよ…」
「あ…」
ふと気が付くと、俺は真っ裸で、しかも朝につき、元気になってるじゃじゃ丸を、翔さんに押し付けてた。
「ごめん…でもさ、俺、マジで///」
「あ~!!抜け駆け!そんな力で翔さんをゲットしようなんて、フェアじゃないだろ~!」
リビングから、白いシャツを羽織ったニノが飛び出して来た。
「いいじゃん!俺、翔さん不足だもん!」
「俺だって!!」
そう言ってニノも反対側から抱きついてきた。
そうなると、当然…
「どこ行ったかと思ったら~!」
松潤は、下だけ履いて俺達3人を抱き留めた。
「あ~///俺が朝ご飯の用意してやってるのに、翔くん拉致して~!」
大野さんが一番外側から、俺たち4人に抱き付いてきた。
その顔は、翔さんを奪い返すというよりは、愛しい者たちを大切に慈しむような…
そんな顔だった。
「ちょっと~、苦しいって…」
そんな円の中心で、翔さんは、凄く幸せそうに笑っていた。
誰が回り出したのか、狭い廊下で団子になった俺たち5人は、バランスを崩して倒れ込んでゲラゲラ笑った。
「…なんか、匂わない?」
「あー!!卵が!」
あ~あ、今日も焦げた目玉焼きか~
そう…これが俺達の日常。