第7章 まだ見ぬ世界へ
【翔side】
目を閉じていても分かる…優しい朝の陽が、部屋の中に差し込んできている…
そうだ…今日は…土曜日だった。
ゆっくりと重い瞼を押し上げると、目の前に雅紀の笑顔がドアップで…
「わあああっ///なっ、何だよ~!驚くじゃん!!」
「ふふふ、翔さん、おはよう♪あんまり可愛い顔して寝てたから、見てたんだよ」
「見るなよ~///」
「翔さん…大好きだよ❤」
雅紀はチュッ、っと軽い音を立ててキスをくれた。
隣でそんなことをしていても、潤は起きない。
まあ、夕べ……
俺と雅紀は、潤を置いてリビングに出て行った。
「おはよ」
「よく眠れた~?」
智くんとニノが、仲良くコーヒーを飲んでいた。
「二人は~?」
「俺たちはもう、ぐっすり!な~♪」
「そ!今夜は翔さんと仲良く寝るから体力蓄えといたんだ~」
…あの~///俺って、いったい、いつゆっくり出来るんだろ?
「松潤起きてこないし、俺がなんか作るよ~」
「あ、俺も手伝うよ!」
ニノと雅紀がキッチンに並んで朝食を作り始める。
何かいいな…こういう風景…
「ねえ、翔くん、ベランダに出てみようよ…」
新聞を広げた俺を、智くんが誘った。
ベランダからは、キラキラ春の陽を集めて輝く隅田川が見えた。
「気持ちいいいよね~」
智くんは俺を観てにっこり笑った。
「うん…そうだね…」
輝く水面を見ながら俺にくっ付いて凭れて来た智くん…
「幸せだな~…俺ね、ずっと翔くんのこと好きでさ🎵いつかこんな風になりたいって、そう思ってたんだ~
夢って、強く願ってると叶うんだね…」
「夢…ってさ…」
「あ~!!飛行機雲だ!」
雅紀が飛び出してきて、俺と智くんの間から肩を組んできた。
「ホントだ~!朝ご飯出来ましたよ~」
ニノが俺に腕を絡めて来た。
「おはよ…お日様が眩しいよ~…」
やっと起きてきた潤が、俺達の後ろから抱きついてきた。
ああ…なんないいな…こういうの。
一緒に暮らすこと、最後まで抵抗あったけど。
こんな風にみんなで居られる時間や空間が、
なんだか凄い幸せで、凄い温っかい…
眩しいベランダ…
仲良く並んだ俺たちの遥か頭上を、飛行機雲がゆっくりと白いラインを伸ばしてていく。
それはまるで、
俺たちの未来へと続く、長い長い橋のようだった。
【END】