第8章 梟と猫
「あ、綾菜じゃん
ちょっと待っててよ。一緒に帰ろ?」
そういい、私の有無も聞かないまま、職員室に入り、鍵をかけて、という一連の行動をしていた。
「いこうぜ?
てか、一人だったら声かけてよ。せっかくライン交換したんだしさ、ね?」
「イヤ、クロと帰る気は無かったので。」
なんて口では言っても、誰かと一緒に帰れることが嬉しくて、つい、顔が緩んでしまった。
「そう?俺と帰れてウレシーって顔してますけど?」
「うるさい…」
「オヤオヤ?」
そうニヤけながら近づいてくる顔に、私は、驚きながらもほっぺをつねり、言う。
「そんなに顔近づけたら、キス、しますよ?」