第25章 恋バナ
「じゃあ、そろそろ帰ろっか。私、お会計してくるからテツロウ呼んできてくれる?」
「ありがとうございます、ご馳走様でした。 では、呼びに行ってきますね」
「よろしくね」
そう言ってエマさんは微笑んでいた。
私は頭を軽く下げると、クロたちが座っている席まで小走りで向かう。
「クロ、帰るよ」
「ん、わかった。」
光太郎は驚く様子もなく、荷物を背負いレジに向かった。
「綾菜ちゃん、久しぶり」
「お久しぶりです。」
木葉さんと軽く挨拶を済ませると、私はクロの横に並んでみんなのところへ向かった。
すると、光太郎とエマさんは何やら楽しそうに会話をしている。
「エマちゃん、なんか匂い変わった?すっげーいい匂い。前より、こっちの方が俺好みだ。」
「別に、コウタローのために匂いを変えわけじゃないし!」
…あの二人、前にも会ったことあるんだ。てっきり、初対面かと思ったけど。
「それになんか、可愛くなったよな?」
「そう?ありがとう」
「お前ら、木葉を1人にしねーで会話に混ぜてやれよォー?泣いちゃうだろ?」
クロは二人の会話を止めるために、木葉さんを犠牲にしていた。
「別に、会話聞いてるだけで楽しいから、気にすんな」
木葉さんは、やっぱり大人だなぁ。
普段の性格は少し子供っぽいけど。
「そ?まぁ、お前家に帰れば可愛い彼女が待ってるもんな」
…木葉さん、付き合ってるんだ。
木葉さんが付き合っていたことは、クロしか知らなかったようで帰る途中は木葉さんの彼女について、木葉さんはすごく質問攻めをされていた。
…逆になんでクロが知ってるか謎。
普通だったら、同じ高校の光太郎とかでしょ?…あ、光太郎は口が軽いから言わなかったのか?