第1章 私の好きな人
教官「おい!澤村!」
あずさ「は、はい!」
教官の怒鳴り声におもわず驚く私。
教官「おまえ、昨日倉庫の鍵閉め忘れただろー?」
あずさ「あ、そういえば!すいません!!」
教官「ほんっと、何してんだよ。部下の責任は俺の責任なんだぞ?」
あずさ「すいません!!」
わんっ!私のパートナー犬のルナが鳴く。
教官「おールナ。今日も毛並みがいいなぁー。」
教官はしゃがみ込んで、ルナの頭をわしゃわしゃ撫でる。ルナはしっぽを振りながら教官の腕にスリスリする。相思相愛ってかんじ。
教官はほんと犬好きだなぁー。
あずさ「ルナ、ほんと教官のこと好きですね。」
教官「そーみえるか!?」
ちょっと嬉しそうな教官に不純ながらかわいいと思ってしまう。
あずさ「はい。ルナは教官がくるとすごい嬉しそうですよ。」
教官は私の言葉に満足気に頷く。
教官「てかおまえ、なんでそんなに犬に好かれるわけ?」
教官が上目遣いに聞いてきて、おもわずドキっとしてしまう。
あずさ「そ、そーゆー体質なんです。」
教官は不服そうに答える。
教官「ほんと信じられねー。ルナと仲良くなるのに俺は1年くらいかかったのに。お前は1日で心許されてさ…」
あずさ「なんか、すいません。」
教官「謝んなよ!悲しくなってくるだろ?」
あずさ「教官は本当、犬好きですね。女性には興味ないんですか?」
教官「な?ないわけないだろ。俺が犬しか愛せない残念なやつみたいにゆーな!」
あずさ「じゃー私と付き合って下さいよ。」
教官「だからそれは違うっていってんだろ!?」
あずさ「なんでですかー?」
教官「上司をからかうのはやめろって!」
あずさ「本気なのにー!」
教官「あーもーいいから、仕事戻れって」
あずさ「わかりましたよー。」
あーあ、これで何回目の失恋だろ?
どうして好きなのに伝わらないのか…。
まぁいいや、明日もトライしよう!
教官「早く仕事しろよ。待ってんだろルナが!」
あずさ「は、はい!」