• テキストサイズ

Pink*Flower Blossom〖R18〗

第4章 ♡太陽差す場所。陰る場所


ーーーーーーーーーー








その夜、月臣の部屋には2つの人影があった。


『.........どういうことだ?』


『だから、めるちゃんを
僕に譲ってほしいって言ってるの。
...どうしても、欲しいの』


いつものようなおどけた様子もなく、
彼は真面目な顔で月臣に言葉をかける。


『驚いたな。お前がそんなふうに人を欲しがるなど。
悪いものでも食べたか?
だが......それは無理な要求だな』


『お願い、月にぃ』


『無理だ』


『交換条件とか、出してくれていいから』


『交換条件、ねぇ...』


『...』


『雪臣と2度と会うな、とかか?』


『...っな!?』


『ふ、冗談だ。そんなことを条件にしても
俺にはなんのメリットもないからな。
むしろお前らの仲の良さは微笑ましいくらいだ。
だが.........』


月臣は彼をきつく見据える。


『こんな、お前が絶対に飲めない交換条件を言うくらいには
あいつを譲る気はないということだ。』


『.........っ』


『わかったら自分の部屋に戻れ。
ちゃんと暖かくして眠るんだぞ』


『......今日のところは、わかった。
でも、僕...諦めないからね!
それじゃあおやすみ!』


子供のように頬を膨らませ
彼ー花臣が部屋から出たのを確認すると
月臣は溜息をつく。


『.........凌から花臣まで...
とんだ人気者だな、あいつは......。
...だが......
それも分からなくはない。
......なぜ、だろうな...』



月臣はそっと
窓の外の月を眺めながら呟いた。
/ 200ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp