第4章 ♡太陽差す場所。陰る場所
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ザーーーー......
「はぁ...」
結局また朝一番に花臣に抱かれ、
フラフラの状態でシャワーを浴びる。
少し様子がおかしいように見えた花臣だったが、結局あの後は最後までいつも通り。
気を引くための演技だったのではないかと思うほどだ。
キュッ...
シャワーを切り、その場にへたりこむ。
「もう、疲れた....」
ーーーやはり自分は、どこに行ってもこうなのだろうか。
何をしても、どこへ行っても、
結局不幸なのは変わらない。
今まで何度も死のうとした。
でも、結局死ねなかった。
それは、自分が弱いから。
血を見るは怖い。痛いのも怖い。
それにもし、何かの偶然で
ぎりぎりの所で生き延びてしまい
後遺症でもできて、今よりもっと辛い人生を歩まなければいけなくなったらー......
「自殺ができる人って.....本当に強いな」
ぼそり、と呟いた時だった。
『自殺っ!!??!
めるちゃん!待ってっ!!!!』
急に慌てた声が聞こえ
それと同時にガチャッと風呂場の扉が開いた。
「...え...きゃあ!」
誰かが入ってきた...と思ったのも束の間
思いきり身体を捕まれる。
『だめ!絶対にだめ!
自殺な、ん、て........』
驚きに目を丸くして固まっていると
慌てて入ってきたその彼と、ばちりと目が合い
その瞬間、彼の顔も一瞬にして固まる。
『........』
「あ、あああの...羊、さん...?」
ーー頬を真っ赤に染め、恥ずかしそうに身体を手で隠しながら自分のことを覗き込んでくる。
シャワー室、裸の女性、水に濡れた色っぽい顔と身体.........
男なら誰もが1度は妄想したことがあるような、そんな神展開......
しかし、この神展開は
よく訓練された男子でないと活かせない。
もちろん、根っからの純情ピュア執事
恋愛レベル︰たまご(ひよ子未満)
恋愛経験値︰マイナス50(メイドに勧められて読んだ少女漫画により、誤った知識を取得済)
ごときがこのイベントを回収できるはずもなく......
『..................
...............きゅう......』
ドサッ...
顔を真っ赤に染めその場で意識を失った。