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Pink*Flower Blossom〖R18〗

第9章 ♡甘い蜜には毒がある


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『はぁ...はぁ、はぁ......めるちゃん...』


「......っ!...」


荒い息のまま、
ぎゅーっと花臣に抱き寄せられる。


『......はぁ...はぁ.........』


「...は、はなおみ...さ...」


『僕は......なのかな...』


彼が本当に小さい声で、ぽつりと呟いた。


「え.........」


『.........本当はわかってる。
こんなの...こんなのは......』


ぎゅっと、めるを抱く花臣の腕が強まる。


「......花臣、さん...」


『............ねぇ、もし...もしね......
僕が物語の主人公だったら...
君は僕の運命の人で、僕の未来のお嫁さんなの。
......それで...それでね、
最後はきっとハッピーエンドで、
僕達は...きっと2人で幸せに暮らすんだ。』


「............」


『でも......でもさ...』


悲しげに眉を寄せ、
花臣はめるの身体に顔を埋める。


『めるちゃんが物語の主人公だったら......
きっと僕は.........僕は、ただの悪者で...
きっと君は...ほかの誰かと、幸せを手に入れる。
君にとってはハッピーエンドで、
でも、悪者にとっては...悪者の、僕にとっては...その物語はバッドエンドだ。』


「...っ......」


『僕にとっては運命の相手でも、
きっと...君にとっては、ただの......』


「花臣さん」


少し震える、
いつもよりさらに小さく見えるその頭を
めるはゆっくりと優しく撫でる。


『...っ、める...ちゃん、
......僕、は...君に...』


泣きそうなその声に、
なぜかめるも泣きそうになりながら
優しく言葉を紡ぐ。


「...ねぇ花臣さん、知ってますか?
物語の主人公って、1人じゃないんですよ。」


『...え......』


少しだけ、彼の腕が緩んだ。
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