第9章 ♡甘い蜜には毒がある
「.........羊...さん...?」
『あの...あのね......
さきに謝っておくけど...もし......不快にさせたら...ごめんなさい...』
「?...は、はい...でも...そんな、羊さんに対して不快だなんて、私......」
『いや、でも!先に謝らせて!...ごめん。
......それで...あ、あの、ね......』
「は、はい...」
めるを抱きしめる羊の腕に
さらにぎゅっと力がこもる。
『.........俺......もしかしたら...
めるちゃんのこと......』
「?...は、はい......」
『.........す...』
「...す?」
『.........す......好き、なの、かも、です......』
「......え?...ええ!?」
火が出そうなくらいに身体を熱くして、
そのまま羊は
これまたとても熱い顔をめるの肩に埋める。
「...あ、ええっと...あの...それって、その...友達としてー...とか、そういうのじゃなくって、その...“そういう”...意味の...です、か...?」
めるがそう問いかけると、
羊はこくこくと頷き、小さな声で呟く。
『.........た、たぶん...』
「......え、あ、え、ええっと...あ、えっと...」
状況の理解も、自分の気持ちの整理も、
今にも倒れてしまいそうな羊のこの状態も...
沢山のことがいっぺんに押し寄せ
めるの頭は混乱し、何も言えなくなってしまう。
『......ごめん...本当に...。
急に...こんな...こんなの、困るよね。
本当に、ごめんなさい...。』
「ええ!?な、なんで謝るんですか?!」