第9章 ♡甘い蜜には毒がある
『............』
「.........あの...」
『......うーーーん...』
「...あ、あの......」
『......うううーーーーん...』
「...ああの...ど、どうしたんですか?......」
『.....う、うーーん...。
..........やっぱり......
やっぱり!だめだっ...!』
ーー次の日...
めるが羊といつものように仕事をしていると、
急に羊から確認したいことがある、と言われ
それから暫くの間
顔を見つめられ続けていた。
「だ、だめ...って......
あの、えっと...私の顔...が...ですか...?」
羊の言葉にめるが困ったように眉を寄せると
彼はびくりと肩を揺らす。
『え!?!!
いや!!!違う!違うよ!!
めるちゃんがどう、とかじゃなくて...
その、俺の、俺の体が...!!』
「え...?え!?
ひ、羊さん、体調が悪かったんですか!?
それじゃあこんなことしてる場合では...!」
めるが思わず身体を支えようと距離を詰めると、
羊がさらにびくりと身体を跳ねさせる。
『うわあああ!!』
「きゃあっ!」
羊の大きな声に、めるも驚き声をあげ
2人は体を反射的に縮こませながら
ぱちくりと目を合わせる。
「.........」
『.........あ...ご、ごめん...』
「...い、いえ......」
いつもより素っ気ない態度に加え、
近づいたら声をあげて避けられてー...
そんな羊に対し、
めるは1つの嫌な予感が頭によぎり
泣きそうになりながら声を出す。
「羊さん、もしかして...」
『え!!?な、なに!!?!』
「......もし、かして...
私のこと...嫌いになってしまいましたか...?
私、なにか...羊さんにしてしまったのでしょうか...?」