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Pink*Flower Blossom〖R18〗

第8章 ♡その想いは甘く優しく、そして我が儘で


「私は今、好きな人なんていませんし、
そもそも、こんな状況で作れるわけがありません。
だから本当にそういう問題ではなくて...!」


『そうなの?
...それじゃあ、何が問題なの?』


「え.........」


凌にそう問われた時、
めるはほんの一瞬だけ2人の顔が浮かび、
自分の中でよぎった気持ちに眉を寄せた。

ー花臣さんは、私がいなくなったら
どうなってしまうのだろうか。
ーここから離れしまったら、
もう羊さんには会えなくなってしまうのだろうか。


そんなことを考えて
何も言えなくなっためるを見ると、
凌は何かを察したように肩を落とした。


『.........なんとなく分かったよ。
好き嫌いは置いておいても、
とりあえず今の段階では
僕では君に役不足ってわけだ』


「え......そ、そんなわけでは...!」


凌の少し拗ねたようなその声に
めるが慌てて否定をすると、
彼はすぐに柔らかい笑みをつくり
めるのことを抱き寄せる。


「...っ......あ、あの...」


『ふふっ、そんな必死に否定しなくても大丈夫だよ。まぁ、そもそも少なくとも3対1で分が悪いし.........それに...やっぱり、“恋愛ゴト”はこうでなくちゃ』


「え......どういう...」


めるが不思議そうにそう尋ねると
凌はゆっくりとめるの身体を離し、
対面する形になるように顔をむける。


『......ふふっ、やっぱり...
君はいつ見ても可愛いな』


「...な、なんですか......急に...」


『あ、言っておくけど、
今のこの言葉は僕がいつも色んな女の子相手に言ってる“ご挨拶”とは別ものだから。』


「...?......だから、よく意味が...」


『...つまり』


ぐいっと急に顔を引き寄せられ、
めるの唇が、凌のそれに重ねられる。


「...ん!んんん!」


『ちゅっ、ちゅう、ちゅ......は、あ...』


そのまま優しいキスをして
ゆっくりとそれを解放すると
凌はにやりと妖しく笑った。


『君のことはなんとしてでも
僕が奪い取ってみせる...ってこと。
.........お分かりですか?囚われのプリンセス』
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