• テキストサイズ

Baby blue【気象系BL】

第9章 虹の欠片



「…ゆうちゃん…」

潤にゆうちゃんと呼ばれた子は、
髪の長い可愛らしい子で、潤のクラスの子らしかった。

「潤くん、話があるの…」

そう言いながら、ゆうちゃんは俺と智くんの方に視線を送った。

……あ、そういう事か…

その視線でこれから起こることを何となく察した俺たちは、

「じゃあ、潤、先に帰ってるよ~」
そう言って、潤を置いて帰ろうとした。

すると、
「待って。一緒にいてよ」
「でも~…」

潤に手首を掴まれて、ゆうちゃんを見ると、
ゆうちゃんの目は思い切り『邪魔だ』と言っている。

「いいから!ここにいて!…いいよね?」
潤の強い目が、ゆうちゃんを見つめる。

「うん…いいけど…」

俺たちは、仕方なく、これから目の前で行われるであろう事を、見守る羽目になった。


「何?話って?」

「……私、潤くんのことが好きです!
良かったら、付き合ってください」

女の子は、意思の強そうな目でじっと潤を見て、
はっきりそう言った。

智が俺の腕を肘で突っついた。
俺は、前を見たまま小さく頷いた。

潤は、どうするんだろう…?

そもそも付き合うって、何するんだろう??

すると潤は、
「ゆうちゃん、僕は好きな人がいるから、
ゆうちゃんとは付き合えない…ごめんね」
そう言った。

マジか!?
潤に好きな人がいたなんて??

俺と智は驚いて顔を見合わせた。

「誰?潤くんの好きな人って?」
「…言わないと、ダメなの?」
「聞いたら諦めるから…」


暫くの間…まあ、20秒くらいのものだろうけど、
潤は黙って考えているみたいだったけど、


「俺が好きなのは…翔くんだから」

そうきっぱりと言い切った。


/ 412ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp