第7章 Crazy for you〜君に夢中〜
「智くん、ちょっと待ってて~?」
翔くんはそう言うと、裸のまま部屋を出て行った。
えっ!?
どこに行ったの?
こんな状況で、俺…
もうおしまい…なんて、そんなことないよね?
でも翔くんは直ぐに戻って来た。
「どこ行ってたの?」
「まあ、いいから…」
そう言うと、翔くんは透明なボトルと、
四角い小さな包みを枕元に置いた。
……それって…
四角いヤツなら、俺も持ってる。
ゴム…だよね?
男同士でも使うの?
「あのね、中で出しちゃうとさ、お腹痛くなっちゃうんだよ~…だから…」
「あ…」
そうなんだ…
妊娠しちゃうとか、心配ないから必要ないと思ってたけど。
そう言う事もあるんだ…
妙に納得した俺に、翔くんはもう一個のアイテムを見せて蓋を弾いた。
「これはローションだよ♪智くんの中に、俺が入りやすくするためのやつね」
「入りやすく!?…あっ…」
言ってる意味が分かって、顔が一気に熱くなった。
あんなおっきいの、俺の中に…
中って…
あそこだよな~?
穴ってソコしかないし…
出すことはあっても、入れたことなんかない…
俺きっと、不安そうな顔してたんだろうね~
翔くんは、
「大丈夫だよ。ちゃんと解してあげるから…
俺に任せて❤」
「…うん…」
……翔くんは、自信たっぷりににっこり笑って見せたけど…
不安なんじゃない…
きっと翔くんにすべて任せていれば、大丈夫…
そんなの分かってるけど…
こういう事に…
なんなら、男同士のこういう行為に、妙に慣れている翔くんの後ろに…
俺は忘れていた…
忘れようとしていた顔を思い出した。
………酷い兄貴だよな…
弟のいない留守に…
でも……
俺は………
「智くん、行くよ?」
気が付いたら、翔くんはボトルから出した透明の液体を、両手で擦りあわせてから、俺のソコに指を這わした。