第7章 Crazy for you〜君に夢中〜
【智】
暗闇でも分かる翔くんの戸惑った顔。
俺が初めてだって知って、引いた?
それとも、重い?
「大丈夫だよ、翔くん…真っ暗だからさ、
なんにも見えないし、ちょっと転んじゃった~、くらいに思ってくれればさ」
「そんなこと!!…そんな風に思えないよ…
だって、智くんは俺にとっても、大切な…」
「翔くん…」
その先を聞きたくなくて、俺はまた翔くんの唇を奪った。今度はちゃんと間違わずに到達できた。
『大切な…』
大切な、何??
友達?
幼馴染??
そんなこと言われたくなくて…
俺は強引に舌先を押し付けて、その唇を抉じ開けた。
不器用だけど、
精一杯の気持ちを届けたくて…
俺は夢中で翔くんの熱い唇を貪った。
翔くんの手が、俺の背中に回り、グッと引き寄せられた。
まるで、迷いが吹っ切れたみたいに…
翔くん…
翔くん……
翔くん、好きだよ。
言葉にできない、
しちゃいけない気持ちを、舌先に一所懸命に乗せた。
何しろ俺は、全部が初めてだから。
全く余裕がなくて、本能の赴くまま…ってよく言うけど。
赴くまま何て言っても、正直どうしていいのか分かんないよ~…
エッチなビデオも、女の子のやつしか見たことないしさ。
される側なんか分かんないもん///
夢中で翔くんにしがみ付く俺のシャツの裾から、
いつの間にか入り込んだ翔くんの指が、
俺の胸の先に触れた。
えっ///
そんなとこ…?
「ああっん」
戸惑ってる側から、粒をキュッとつままれて、
予期せぬ声が出た。
「んふふふ、智くん、可愛い…」
「か、かわいく、なんか…やぁ///」
さっき摘まんだ粒を、親指と人差し指でクルクルと転がすから、またしても女みたいな声が出ちゃった。
恥ずかしいよ///