第21章 その先に見える景色
欲しいくせに、いつまでもゴチャゴチャ言ってる口は、
俺の唇で塞いでやった
思った通り。
ダメだなんて言ってたのはポーズで、
潤は直ぐに唇を薄く開けて、俺を誘った
…じゃ、遠慮なく…
舌先を差し込むと、潤は直ぐに自分のをそこに絡みつけてきた
最初っから遠慮のない激しい口づけに
当然、直ぐにお互いの息も上がる
「…んっ…はぁっ…」
「潤…いいの?隣の智くんに、聞こえても~?」
夢中で唇を貪る様な激しさを見せる潤に
揶揄うように、そう言ってやると、
「…いいんだ…聞こえても…だって、俺…」
そこまで言って、潤は黙って俺を見つめた
真近で見る潤の黒目がちな大きな瞳が、
みるみるうちに涙を湛えて揺らめいていた
言わなくても…
言葉になんかしなくたって、
潤の言いたいことは、痛いほどわかる
……後何回なんだ…?
こうやって身体を繋げられるのは…
俺と潤に残された時間は、あとどのくらいなんだ…
「…やあっ…翔…そんな、いきなり…」
さっきから、存在を誇示するかのように俺の脚に当たるのは、潤の欲情の高まり…
そんなの、俺だってさ///
潤の手を握り、指を絡め、
そのままその手を俺の下腹部に連れて行く
「んふふ…翔くんも…」
「うん…潤が欲しくて、堪んないらしい」
「ふ~ん…じゃあ、翔くんは?
…この子じゃなくて、翔くんは?…俺が、欲しい?」
………潤…
探る様な…
試す様な…
潤の大きな目は、俺に答えをせがんでいる
そんならくれてやるよ……
潤の欲しい答えをさ…
「俺は、今すぐ、潤が欲しい…」
その言葉に、潤は華が咲くように笑った
その笑顔が、俺の芯に火をつけた