第18章 amends ~償い~
パジャマを着て、ベッドに並んで寝転んだ。
「……」
「………」
潤から何か話してくれるんじゃないかって、
そう思って待っているけど、
潤は何も言わない…
じゃ、俺から…
「…おばさん…元気?」
「…うん」
……って、それで終わりかよ?
潤は一体どんな顔しているんだろう?
そう思ってそっと見ると、思いがけず、潤は優しい、穏やかな顔をして天井を見ていた…
正確には、俺の部屋の天井じゃなくて、
どこか、別の……
「なんかさ、優しくなった…あの人…」
「美穂さん?」
「美穂さんって…」
潤が笑った。
「潤、おばさんから、その…聞いたの?」
「何が?」
「何がって…病院での、こと…」
「……聞いてないよ…」
そっか…話してないんだ…
まあ、言いにくいよな~、やっぱり…
「翔くん…」
「ん?何?」
「………」
「何だよ~?言えや~…気になんだろう~?」
ワザとお道化たようにそう言っても、
潤は天井を見たまま黙っている。
潤には知る権利がある。
だけど、知らなくても生きていける。
知りたいと願わないとしたら、
耳を塞いでいる潤に、
わざわざ俺がその手を退けて話すことも無い。
潤は、いったいどうしたい…?
「翔くん…手…」
「ん?」
「手、繋いでも、いい?」
「手~?何だよ、いいに決まってるだろ~」
直ぐ隣にある潤の手を強く掴むと、
潤は俺にしがみ付いて来た。
「潤?」
「お願い…何も言わないで、ちょっとの間、こうしていて///お願い…」
……潤…
俺の肩に顔を埋めて何も言わない…
少しだけ震える肩を、抱き締めるしかない俺は、
この瞬間、潤に掛ける言葉の正解が、
俺には分からなかった。
潤……
潤…何をそんなに怯えてるの?
何がそんなに……
次に潤と病院に行くまで、
後三日……
潤は……
Jは何を話すんだろう?