第15章 消えぬ想い
Jに抱かれて、はっきりした。
Jは潤だ。
だけど、どうしてJとして夜の顔を持っているのか?
昼間の潤にそれとなく探りを入れて見ても、
潤は顔色一つ変えることも無かった。
Jと潤が同一人物だとして、
この先俺はどうしたらいいんだろう…
そう思ってた矢先……
雅紀の過去を知った。
そして今…雅紀に抱かれている…
「…あ…あ…あっ…雅紀」
「…翔…気持ち、イイよ…」
「…雅紀…俺…もう…無理…」
「…一緒に…一緒に、イこ…」
堕ちて行く……
いつの間にか、その行為に溺れて行った俺は、
雅紀を夢中で貪る様に抱き締めていた。
同情だった…
幸せな人生とは別のところを歩いて来た雅紀…
俺が、その心を、少しでも温めることが出来たら…
それが、せめてもの罪滅ぼしになるなら…
そう思って始まった行為が、
いつしか快楽を貪るものへと変わっていた。
「…んっ…雅紀…イキそう…」
「…翔…イッテ…一緒に…イコウ…」
俺は自分で自分自身を握って上下に擦り上げる。
雅紀の律動に合わせて…
「…あ…あっ…あ、あ…イクイクッ……んっ///」
人間は貪欲だ。
自分の快楽を満たすために、
理性と言う名の扉を閉ざす…
何度イッタんだろう?
こんな歪んだ行為なのに、
俺は、何度目かの射精のあと意識を飛ばしていた。
「雅……何やって…だよ、お前…」
「……ごめん…俺、翔が…」
「こんな…、許され……ないよ…
もし…Jが知ったら……」
遠くで誰かが話してる…
身体が泥のように重くて、
瞼さえも持ち上げられなくて……
誰かが裸の俺の側に来て、
無造作に毛布を掛けてくれた…
誰…なの…?
『……ニノ…ごめん…』
雅紀の、声が聞こえて、
俺の意識は、また落ちて行った。