第14章 desire〜欲望〜
「…潤…もう…限界…これ、つけて…」
翔くんは、そう言って俺に正方形の包みを差し出した。
「……それ、いらない…」
「えっ?でも…それじゃ…」
「いいから。…いらないから」
少し困ったように眉を下げた翔くんに、
俺はゆっくりと跨った。
「…潤…」
上になるのは、恥ずかしいからと、
普段はほとんどしない…
でも……
今日は…
今日の俺は……
翔くんの上に跨った俺は、堅く反り返ったしょうくんを握って、自分の孔に宛がった。
翔くんの絡みつく様な目から、目を反らすことなく…俺はゆっくりと腰を落とす。
「んああぁっ///」
「…んっ…」
快楽に、彼の目がぎゅっと閉じたのを見た俺は、
不思議な征服欲に、身体が震えた。
蛇と蛙……?
ライオンとシマウマ…?
捕食する側とされる側…
上になるときだけは、それがどっちなのか、
曖昧になるんだ…
される側の、
受ける側の、
いつもの俺の立場が、
この時だけは対等か、もしかしたら逆に
俺の方が翔くんを抱いているみたいな……
そんな気持ちになるんだ。
「…あああっ…気持ちイイ…」
奥まで届いた感覚に、
俺は、思わず自分で自分を抱き締めた。
「潤…おいで♡」
翔くんに招かれるままに、
彼の胸に飛び込み強く抱き締められた。
「今、俺と潤…一つに繋がってるね♪」
「……うん…」
改めて言われると恥ずかしい…
自分から飲み込んだ今日は尚更だ。
翔くんが俺の首を引き寄せて口づけた。
直ぐに入り込んできた舌を受け止め、
首の角度を変えながら絡め合う…
部屋には卑猥な水音が響き、
それが俺の思考を麻痺させる…
翔くんが、欲しい…
この人の全部を俺のものに…
俺だけのものにしたいんだ。
誰にも渡したくない……
俺には翔くんだけだから。