第14章 desire〜欲望〜
【翔】
「よし!じゃ、バトミントンやろっか?」
「バトミントン…?ホントにやんの~?」
笑いながら潤は立ち上がった。
満更でもないじゃん…超ヤル気でしょ?その顔…
屈託のない潤の笑顔に
俺も自然と笑顔になれた。
俺は潤を誘って、郊外の公園に来ていた。
「公園~??何それ??」
誘った時、潤は最初笑った。
「何で急に~?爽やか交際でも始めるつもり?」
茶化した潤だったけど、断る理由も無く。
公園の芝生に並んで寝転がって、
青空を眺めて……
自分でもよく分からないけど、
潤と、夜じゃなくて昼間会って、
健全なデートをしてみたくなったんだ。
「翔くん!へったクソ~!」
「よ~し!!今度は負けないぞ!」
家から持ってきたおもちゃのバトミントンセット。
白いシャトルを追いかけて、俺たちは燥いでいた。
途中でサンドイッチを買って、
大きな芝生広場が有名な公園…
弁当を持った家族連れや、恋人たちが、
あちこちでシートを広げていた。
そんな中で、男二人の俺たちは、少し異質だった。
それでも、そんな俺たちのことを気にする人も無く…まあ、仲良しの友達同士なんだろう、と思ってたかもしれないけどね。
「あ~、これ、うんめっ」
「でしょ~?俺も初めて食べた時、衝撃的だったよ~。今度翔くんにも食べさせたいって思ってたから、ちょうどよかった良かった♪
食べたことないふわふわ感だよね~」
お勧めの玉子サンドについて、
潤はそう語って笑った。
そんな潤の横顔は、
Jと全く同じなのに、やっぱ別の人だった。
そんなところで遊んでるって
俺に見つかって気まずいのかな?
って…始めはそうも思ったけど…
Jは潤と同じ顔で、
同じ声で俺の名を呼ぶ…
やっぱり違う人なんだと
そう思えた。