第13章 encounter〜出会い〜
「俺、こ、今度はビールにしよっかな~」
沈黙に耐えきれなくなって、
バーカウンターに立った俺は、
Jに背中を向けて、ビールを出した。
「…妬ける…」
…………
背中を向けていても感じる、Jの熱い視線。
「潤ってやつに鳴かされてる翔のこと、
想像しちゃう…」
「鳴かされてる、っていうか…」
思わず振り向いた俺は、
またJの瞳に射竦められて固まった。
「違うの?翔が下じゃないの??」
「し、下って…」
ダメだ//////
顔から火が出る(≧▽≦)
「ねえ、翔が受けじゃないの?」
「……ちがう…」
「嘘!こんなに可愛いのに~??」
「か、可愛くなんかっ///」
顔を上げると、
Jは俺の方に歩いて来るところだった。
「ねえ、翔は、バージン??」
「バッ///」
「そうなの??」
「………ん…」
もう恥ずかしくてJの顔を見ていられない俺は、
また俯いて足元を見つめた。
「じゃあ、もしその気になったらさ、
俺にちょうだいね♡翔のバージン♪」
………ヾ(≧▽≦)ノ
ダメって言えよ、俺!!
なんで黙ってるんだよ///
これじゃ、いいって言ってるようなもんじゃん!
「おいで。もう少し二人で飲もうよ。
まだ時間あるでしょ?」
「あ、うん…終電までは…」
それからまた暫く、他愛のない話をしたり、
雅紀やニノの話を聞いたり、
普通に酒を飲んで話をして
時間を過ごした。
甘い空気になってしまったら、
どうしたらいいかな??
なんて、秘かに心配してたのに、
Jは真摯で、俺に触れてくることも無かった。
……なんか、これじゃ、
触れて欲しいみたいじゃん//////
Jの言ったこと、
『その気になったら』
俺がJにその気になる…
そんなことがあるのかな??
絶対にあり得ないって、この時点でそう思えない俺は、もうJのこと、特別に思い始めていたのかもしれない…
自分で気づかないだけで……