第12章 irony of fate 〜運命の悪戯〜
【雅紀】
「…ニノ…どう…イイ?」
「…あっ…雅紀…ソコ…」
甘い声で鳴くニノの肢体に、俺の脳髄は痺れだす。
こいつホントに変な色気があるんだよな~
ある意味、そこら辺の女の子より、
よっぽど煽るの上手いし…
「…雅紀…もっと…ソコ…気持ちイイよ…」
「…凄い…ニノ…先っぽから…どんどんヤラシイ汁が零れてくるよ~…」
「やぁだっ…雅紀…言わないで…」
渋谷の裏路地、若者がたむろすclub…
その奥にあるVIP roomのソファの上、
俺はニノの身体を組み敷いている。
ライトに浮かび上がったニノの華奢な身体は、
何とも言えず、艶めかしい。
赤いソファに身体を預けるニノは全裸で、
その白い肌は、汗がしっとり光り始めていた。
「…ああっ…もう…欲しい…」
「何が?…何が欲しいか…教えて…」
閉じられていた瞼を、気怠そうに押し上げ、
ニノは俺をじっと見つめた…
その潤んだ瞳に、ライトが移り込み、
まるで星みたいで、うっとり見惚れる…
「…言わなきゃ…ダメ、なの?」
「…聞きたいもん…ニノの、可愛いお強請り…」
………俺の言葉に、その頬を薔薇色に染め、
恥ずかしそうに、キュッと薄い唇を結んだ。
……その恥じらう風情は、男心を知り尽くしたニノだからこそ出来る業だ…
そう分かっていて、すっかり絆されている、
俺も俺だけどね…
「ニノ…言って?…ニノが欲しいもの…」
「………」
躊躇い、更に焦らすのかよ、お前…
俺は、ニノの後ろから指を抜き、ニノの言葉を待った。
その時……
「ニノ、言ってやれよ…雅紀の欲しい言葉」
部屋の隅から声がした。