〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第62章 狂華-kuruibana-《後編》❀伊達政宗❀
────耳鳴りが止まない
本当は俺だって、心では解っている
こんな場所で、美依をめちゃくちゃに抱いて
そんな事をしたら、傷ついて壊れてしまうと
それでも……
溢れ出した醜い激情は止まらない
今すぐに俺のものにしないと、こっちが壊れそうで
壊れたくないなら、壊してしまえ
ドロドロとした黒い欲が支配する
奪って、傷つけて、噛み付いて、注いで
そうしないと、俺がおかしくなる
俺を満たすのはお前だけだ、美依
だから、その瞳には俺だけを映せばいい
肌の温もりも
濡れて柔らかい、その奥底も
すべてすべて
────俺のためだけに咲く、華であればいい
「政宗っ、痛い………!」
襦袢姿の美依が苦痛に顔を歪め、声を上げる。
俺は美依の手首を紐で縛り上げながら、自分ではないような狡猾な笑みを浮かべた。
望月が俺達を、冴え冴えと照らし出す。
先日までの長雨が嘘に思えるくらい、明るい蜜月。
月の光は、眠った本性を暴くのかもしれないと思った。
「痛くねぇだろ、このくらい」
「だって…紐が手首に食い込んで……!」
「俺の心のが、もっと痛い」
「……っっ、あ…ちょっと……!」
俺は美依の手首に縛った紐の先端を、垂れる木の枝に結びつける。
美依は縛った手首を、木の枝に吊るされ……
大きく上がった腕からは袖が滑り落ち、美依の白く細い腕が剥き出しになった。
そのままの状態で、背中から抱きつき、襦袢の前をさらに乱していく。
すると美依は半泣き状態で振り返りながら、必死で抵抗するように声を高く荒らげた。
「政宗、やめてっ……!」
「嫌だって言ったら?」
「こんな、こんな事するなんて酷いよ…!」
「酷いのはお前だろ、俺以外の男を押し倒しやがって」
「それは、違っ……ぁあっっ!」
乱れた胸元から柔らかな膨らみを取り出し、先をくりっと摘む。
美依はびくっと背中を反らし、熱く息を漏らして…
瞬時に躰が熱を上げたのが解った。
こんな状態で、感じてるのか。
それを思えば心の芯が疼き、さらに攻めるように指が動いていく。