〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第32章 如月の雪紅華《生誕記念》❀上杉謙信❀
────雪、紅の華となりけり
灼熱の不器用な心
お互いに囚われ、縛り合って……
そして、雪華を紅色に咲かせるのだ
それは、如月
己がこの世に生を受けた、雪の日の祝い
『謙信様、お誕生日おめでとう』
そう文字の描かれた、愛しい者が作った甘味と
酒によく合う、梅干しと
そして、何よりも甘い、愛する者が傍に居れば……
俺はもう何も要らない
お前が傍で笑っている事が、何よりの生誕祝いだ
『謙信様、このチョコプレート食べてみませんか』
『ちょこ……?』
『この文字が描かれた板です。食べられるんですよ』
『お前が折角描いた祝いの言葉を食うなど出来るか』
『でも甘くて美味しいですよ』
『……お前より甘くて美味いのか?』
『そ、それは知りません!』
『では、確かめてやる。再度俺に身体を預けろ、そして……また淫らな熱に溺れるがよい』
そして、また極上なる夜は明けていく
朝が来ない日はない
花の芽、芽吹く季節はもうすぐそこで
燦然たる月も、やがて朧に代わるだろう
ただ今は────…………
もう暫し、冬の蜜熱に溺れて
お前を温める言い訳を武器に、
可憐な雪華、紅色に咲いた、
目が眩むような、美しい如月の蜜夜。
《如月の雪紅華 / 上杉謙信》
終
゚。*Uesugi Kensin Happy Birthday *。゚