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【ハイキュー!!】月夜に吹く風 R18

第1章 小風


「もう…蛍のバカ。今日は合宿前に宿題全部終わらせる為に来たんでしょ?」

全部外された制服のボタンを1つずつ止め直して蛍を見ると、
何事もなかったかのように鞄から教科書などを取り出している。

「そうだよ。おバカな和奏の宿題を終わらせる為に来たんだから。さっさと終わらせよう。その後、お礼もしてもらう予定だし。」

な…お礼って…。
蛍の言うお礼なんて想像がつく。
…日向くんや影山くんの事をスタミナ馬鹿呼ばわりしてたが、私からすると蛍だって十分にスタミナ馬鹿だと思う。

「お礼に美味しい夕食作るね!」

私の返答に蛍ははーっとわざとらしい溜息で返したけど、スルーを決め込んで、蛍の向かいに座る。

「ところで、蛍の宿題は??」

「とっくに終わらせてるよ。合宿の準備も。ってか、こんなに直前まで手付かずで残してる方が凄いよね。」

付き合っても、一言多いのは相変わらずだ。

明日からバレー部の1週間の東京遠征がある。
いつもの梟谷グループの合宿に参加させてもらうのだ。
合宿が終わると同時に、学校の休暇も終わってしまうので、今日中に宿題を全て終わらさなくてはならない。

「日向くんとか絶対に宿題やってないよ。」

影山くんもやってないだろうが、
わざわざ影山くんの名前を出して蛍を怒らせる必要もない。

「いや、日向を比較対象に出して来る時点で…。」

ブツブツと文句は言いつつも、わからない所はしっかり教えてくれるので、宿題はあっと言う間に片付いた。

これは…美味しいご飯を作ってあげないと。

頭痛の種だった宿題が片付き、
明日からの合宿が俄然楽しみになってきた。
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