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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第10章 まばたき●


あれから佐久間さんは仕事のスケジュールを明かしてくれるようになった。



それどころか、立ち入る事を禁じられていた部屋の中でさえも見せてくれた。



防音の壁。

ギターが数本と私にはよく分からない機材。

そして、壁の棚には数え切れないほどのレコードが並んでいた。



今思えば、高杉さんはこのレコードを借りに来ていたのだと思う。

以前、佐久間さんが休みの日に紙袋を抱えて帰って来たのも、中身はレコードだったのかもしれない。



全ての謎が解けた。



まるで事件を解き明かした名探偵にでもなった気分だった。



それでも、愛美先生には打ち明けられずにいた。

もちろん佐久間さんに強要された訳ではない。

私の勝手な判断だ。



佐久間さんが私についた嘘。

その嘘は今、私が愛美先生についている嘘になってしまった。






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