第20章 ワンコの憂鬱
*side 桜子*
「桜子さん…キスしてもいいですか…?」
さっきの事があってか、遠慮がちにそう聞いてくる皐月くん。
そんな彼にクスリと笑って小さく頷いた。
「ん…」
優しく唇を合わせるだけのキス。
まるで壊れ物を扱うかのように彼が私の頬に手を触れてくる。
その手に自分の手を添え、短いキスを繰り返した。
「体…痛い所無いですか?」
「…え……?」
「さっき…乱暴にしちゃったから……」
「……、」
そう言う彼はまだしゅんとしている。
確かにさっきは恐い思いをしたけれどもう平気だ。
安心させるよう彼にそう告げようとしたが、それより早く私の体が宙を浮いた。
「さ、皐月くん…?」
私を軽々抱き上げた彼は無言でソファーの方へ移動する。
そしてゆっくりとその上へ私を下ろした。
「ココ…見せて下さい」
「…え……?きゃあ…っ…!」
自分は床に座ったまま、私の両脚を大きく開かせる皐月くん。
下着を穿いているとはいえ、当然私の秘部は彼の目の前に晒されて…
「これ…脱がせちゃいますね」
「ちょ、ちょっと待って…!何を…っ…」
「傷付いてないか心配なので…」
「っ…、大丈夫だから!」
「でも俺…濡れてもないのに無理矢理……」
「ホ、ホントに平気!」
それよりも、こんな風に確認される事の方が余程恥ずかしい。
皐月くんはこういうところが天然だと思う。
本人に悪気が無いのは勿論解っているけれど…
「じゃあお詫びに…桜子さんに気持ち良くなってほしいです」
「……え?」
「俺…何時間でも舐められる自信ありますから」
「………」
一体何を言っているんだろう、この子は…
今だ状況が掴めていない私を気にする事なく、彼は太腿の裏にチュッとキスをしてきた。
何度も短いキスをし、時折つぅっと舌を這わせてくる。
その感触にぴくりと反応すれば、彼はクスリと笑ってこちらを見上げてきた。
「桜子さん、可愛い…」
「っ…」
「ココも舐めさせて下さい」
「ぁっ…!」
いよいよ下着の上から秘部に触れてくる彼。
ソコが微かに濡れ始めているのが自分でも分かる。
「やっぱりダメ…、皐月くん…」
「…どうして?」
「だって…シャワーも浴びてないし……汚いから…」
「そんな訳ないでしょう?」
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