第12章 花火よりキミ
「…桜子さん…俺、まだ全然足りないです……」
「っ…」
「桜子さんの事抱いたら…満たされるどころか、もっとシたくなりました…」
「ぁっ…!」
ズンッと一度だけ下から突き上げられる。
まだ火照っている私のソコも、皐月くんを求めるようにひくひくと収縮を繰り返していて…
「…続きはお風呂場でしましょうか」
「……、」
「…しっかり掴まってて下さいね」
シャワーを浴びて一旦身を清めた後、私たちは再び互いを求め合っていた。
座っている彼の上に跨がり、その首に両腕を回す。
「んっ…、」
ゆっくりと入ってくる彼のモノ。
先程よりすんなりと奥まで入り、互いの腰が密着する。
どちらからともなく唇を重ね、貪るように舌を絡ませた。
「…もう我慢出来ないんで……動きますね」
キスの合間にそう囁いた彼が緩く腰を動かしてくる。
私もそれに合わせ、キスを続けながら自ら腰を揺らした。
「ッ…、桜子さん……すごくヤラシイ…」
「…んっ……、いや…?」
「…そんな事ありません……可愛くて大好きです」
「っ…」
その言葉が嬉しくて、無意識に彼のモノをきゅうっと締め付ける。
そのせいで火が点いたのか、彼は今まで以上に私を激しく攻めてきた。
バスルームに響く自分の声を気にする余裕も無く、私は恥ずかしいくらい乱れてしまって。
一度では飽き足らず、何度も何度も彼にイかされてしまった…
(…あれ……?)
気が付くと私はベッドの中にいた。
何も身に着けていない体は、後ろから誰かに抱き締められていて…
「っ…」
振り向くとそこには、静かに寝息を立てている皐月くんがいる。
その顔を見て、昨夜の情事が鮮明に甦ってきた。
結局あの後、私たちは朝方まで互いを求め合ってしまったのだ。
(…どうしよう…皐月くんとどんな顔して話せば……)
今になって急に恥ずかしくなる。
とうとう皐月くんとも最後までシてしまった…
背徳感が無いと言えば嘘になるが、後悔はしていない。
(私はやっぱり、皐月くんの事も好きなんだ…)
――こんな優柔不断な私をどうか許してほしい…
そんな想いを込めながら、私はまだ瞼を閉じている彼に触れるだけのキスをした…
*