第10章 NEWS的クライシス。
ただ別に…
誰かを責める気持ちとか、
そんなんじゃ…、なくて。
オレは…
ただ、哀しかった。
そんな騒動のなか、
翔君がご飯に誘ってくれて。
何かを言われたわけでも
聞かれたわけでも、なくて。
ただただ、普通に
楽しく食事の席が進んで。
翔君のその気持ちが
ありがたすぎて……辛かった。
同時期に起きたことだったから
混同されがちだったけど、
オレ的には
全くの、ベツモノで…。
オレは…いくらメンバーとはいえ
誰と付き合おうが
そこには介入できないと思っている。
オレの生き方や考えを
小山やシゲや手越に
押し付けたこともなければ、
これから先だって
そんなことをするつもりは
一切、なくて。
だけど―――……。
あの歌が
手越本人によるものだということは
すぐに、わかった。
皮肉なもんだよな…
相方だからこそ、だなんて。。
オレは手越の頑張りを
多分、てごしの次に知ってる。
あれほどまでに歌に対して自信を持つのは
ある意味当然だと思うし
そこまで努力し続けている手越のコトを
オレも誇りに思っているのは事実だ。
だからと言って他人を
見下していい理由になるはず、なくて。
そして、なにより…
並々ならぬ努力をして手に入れた歌の価値を
自らおとしめるような行動に。
それを仲間と笑い合える価値観で生きている
という現実に苦しんだ…。
心が変われば、
人生が変わる。
手越の心は…
いま、
どこにある……?
~♪~
増田「…シゲ? どうした?笑
珍しいじゃんw」
加藤「あ…えっと。。
増田さん、その…、大丈夫?」
これだから…
シゲは嫌なんだ。
普段は返信さえまともにしないくせに
こんな状態のときのオレを
いつも見逃してくれなくて。。
増田「……なにが。」
加藤「あ、いやほら。
今度一緒にドラマやるじゃん?
ちょっと、本読みでもやんない?
金八んときみたいにw」
増田「おっさん2人で?w」
加藤「そ。なかなかいいだろ。笑」
どうせ断られるんだろうな。
そう思った次の瞬間――。
増田「……別に、いいよ。
シゲん家なら。」
予想外の返事が、きた。