第10章 NEWS的クライシス。
オレはまっすーに電話を掛けながら
増田さんの家に向かって。
増田さんのマンションのエントランスで
せかすようにひっきりなしに部屋番号を押す。
なのに、
音沙汰がなくて…。
「なんで! どっちもでねぇんだよッ!」
……まさか、倒れたりしてねぇよな?
「てごし……何してんの…?」
後ろから声をかけられて…
まさかの、まさか。
ご本人登場…。
インターホン越しの会話を予想していたオレは
心の準備が出来ず仕舞いで。
「なんで、いんだよ!!」
「……え?w
だって、オレん家だもん。笑」
増田さんはオレの戸惑いなんか
まるで、素知らぬ顔で。
「変なてごし。笑 あ、いつもかw」
なんて、言いながら無邪気に笑っていて。
手越「外なんか出て……
具合、大丈夫なのかよ。。」
増田「……ぐあい? なんで??」
―――シゲの野郎、
嵌めやがったな。。
増田「っと。。オレ、もう上行くから。
なんか、用事だったんなら…
今、聞くけど。」
もう……、
家に上げては…くれないわけね。
オレはお呼びじゃないってか。
なんつうか、
増田さんらしすぎて
悲しいけど、安心するわ…。
「……いや、別に…。」
「…そ? じゃぁまたね。」
「オレッッ!!」
「バッ!! 声でけぇよ!
ちょっとお前、こっちこいって…。」
増田さんに引き連れられて
エントランスから駐車場に移動して。
増田「お前は…相変わらず
我慢が利かねぇやつだなぁ。苦笑
……マジで、気をつけろよ?
写真撮られるより、クモ触れよw」
手越「……んだよ。勝手に人の番組
観てんじゃねぇよ、変態。」
オレの番組…
ちゃんと観てて、
くれてんだ……。
増田「笑。観るよ?
だって、メンバーじゃん。」
……オレは
イチメンバーに降格したってわけだ。
それを、暗に
オレに伝えたってワケね。
相変わらずこのオトコは
見えない境界線を引くのが上手くて
嫌になるし、
それに敏感に気付いてしまうオレにも
嫌気がさす。。
だけど、
簡単にどうにかなる相手じゃないことは
百も承知で。
だからこそ、オレも…
錦戸君も……
執着するわけで―――…。
どうしよ…。
自分の思考に落ち込んできた……。