第10章 NEWS的クライシス。
小山「息が。息が上手く吸えないよ、加藤さん…。」
加藤『黙ってろよ。』
小声でそう窘めた俺の声は
バッチリ手越に届いていて、
大きな瞳で睨み付けられる。
増田「…お先。」
加藤「お疲れ…。」
沈黙という名の刃が
楽屋に残された俺達を襲う…。
小山「なーんだwまっすーも本気出せば
早く準備できるじゃん。……なぁ?笑」
小山の空元気が空々しい。
手越「そんなんどーでもいいんだけどさ。
なぁ…、知ってたわけ?」
小山「……なにを?」
手越「だから、、
アイツらの…関係っ。」
小山「えっ? あー…
アイツらって…えっ??」
手越「ちっ…、どっちなんだよ!」
加藤「……知ってたよ。」
小山「ちょっ! シゲちょっと…。」
そんなオレの制止も虚しく
シゲが続ける。
加藤「でも、ぶっちゃけ、
だから何? なんだわ。
俺らから聞きたかった? 違うだろ??」
手越「っ! そのとおりだよ!!
いっつも正しいよなぁ! 成亮クンは!!
でも、正しければ正しいだけムカつくわ。
なんつーか…。」
言葉を詰まらせる手越の背中を
小山が擦りながら支えていて。
小山「シゲちゃん、あとは任せて。」
加藤「……頼むわ。」
―――俺達はNEWSが4人になったとき、
2人で誓い合ったことがある。
何を犠牲にしてもNEWSを守ろうって。
「2人になってもNEWSを続けよう」
なんて言ったものの、
現実問題テゴマス抜きじゃ破綻するのは
火を見るより明らかだ。
だから、
手越とまっすーが崩れそうになったとき
全てを差し置いて支えること。
求められれば、応えること。
―――それが、俺達の誓い。
加藤「手越、1つ確認しときたいんだけど…、
増田さんの気持ちとか、いきさつとか
ちゃんと聞いてあげた?」
手越「聞くつもりもねぇよ。
結果が全て物語ってんじゃん。
言い訳聞くほど、暇じゃねぇんだわ。」
加藤「何だよそれ…。
手越のこと、
もっとマシなヤツだと思ってたけど?
悪いけど、まっすーのこと、
手越になんか任せらんねーわw」
手越「…んだよそれ!!
どういう意味だよ!!!」
加藤「別に…そのまんまの意味だけど?
じゃ。」
重苦しく扉が閉まり
最悪の空気のなか
その場に取り残されたオレたち――…。