第5章 コヤシゲ的好きの尺度。
打ち上げは盛り上がったが、
小山に帰ったら連絡すると言った手前、
あんまり遅くなるわけにはいかないなと
そこそこの時間で帰ろうとしていた俺。
そんな折、俺の携帯が
友人からの通知を知らせる。
どうやらさっき打ち上げをしていた店で
偶然にも別席で飲んでいたらしい。
まぁ…小山もまだ特番中だし、
ちょっとくらい、いいよな。
落ち合った友人とは
久しぶりだったこともあり、酒が進み
俺の家で飲み直そうという話になったため
タクシーに乗り込む。
連絡もないし、
……まだ大丈夫だよな。
ふと、鍵を確認すると、
いつもあるべき場所に…ない。
いつもと違う場所にしまったか?
と鞄の中やらポケットやら
いくら探せども………ない!
困り果ててマネージャーに連絡すると、
マネージャーに預けたままという大失態。。
丁度俺と小山のスタイリストさんが
今から上がるとのことで、
届けてくれる話になったのはいいんだけど。
恐らくこれが小山の耳に入ることは
不可避なことで。。
はぁ………
やっちまった。。
小山「あ、今から
シゲに鍵、届けるんでしょ?
あんま遅くならないように
言っといて下さいね。」
「はい!わかりましたーー!」
……大丈夫かな。。
いい人だけど
調子いいとこあんだよな…。
ミイラ取りがミイラになんなきゃいいけど…。
特番が終わり、
すぐさま携帯をチェックする。
ない。
ない、ない。
何でないんだよ!
シゲからの連絡が!!
アイツひょっとして……
まだ飲んでる??
いてもたってもいられなくて
電話をかける。
でない!
でない、でない!!
なんででないんだよ!!
まさかとは思いつつ○○さんに連絡する。
「あ、お疲れ様です。
どうされました??」
小山「あ、シゲに鍵、渡したんだよね?
シゲ、ちゃんと帰った?」
「あ、渡しましたよ~。
帰りました。帰ってからまた飲んでます。」
小山「……まさかと思うけど、
○○さんも一緒??」
「小山さん、流石ですね~。w」
だから…何故、
そうなる。。爆
小山「まぁ、帰ってるならいいや。
シゲに携帯にはちゃんと出ろって言っといて。
じゃあ、お疲れ様。」
疲れを感じながら電話を切り、
重い足取りで家路についた――…。