第8章 向日葵色
▲▽▲▽▲▽黒尾side▲▽▲▽▲▽
結月の両親が殺されてから暫くして
結月は事故にあい記憶が可笑しくなったみたいだ
"両親は小さい頃に死んだ"と言っていた
そんな結月をあの家に帰らすわけにはいかない
俺は両親に頼んで家においてもらう事にした
『ねえ鉄朗、いくら付き合ってるからって
同棲は良くないんじゃないの?』
病院からの帰り道、結月は小首を傾げて言って来た
俺と付き合ってることは覚えてるのか...
「良いんだよ俺と結月の仲だろ?」
不自然にならないように笑いながら言った
『ねえ鉄朗』
「あ?なんだ?」
『私バイトに行く途中で事故にあったんだよね?
クビになっちゃったかな?』
は?何言ってんだ?バイトなんてやったことねえだろ?
訂正するべきか?
いや下手なこと言ってまた可笑しくなったらヤベェな
「バイトの事は気にするな事故にあって
出来なくなったって言ってある」
『ありがと~また新しいバイト捜さなきゃね~』
にこにこ笑いながら喋る結月はまるで太陽に向かって咲く向日葵の様だった
俺はそうだなと相槌を打った
それから数週間後
一緒に学校に通い始めた
と言っても結月は保健室に入り浸っているけどな
放課後にはちゃんとバレー部に顔を出し
チョコチョコと動き回り
マネージャーの仕事をこなしている
結月の事ばかり見ていてレシーブをミスり夜久に蹴りを入れられた
夜っくんちょっとくらい見逃してくれ
山「研磨、白沢さん久しぶりに来たな」
孤「うん。そうだね」
山「病気か?もう大丈夫なのか?
なあ研磨どうなんだ?」
孤「はぁっそんなに気になるなら声かけてみれば?」
山「Σ無理無理!!俺にはハードルが高すぎる!!?」
山本からの質問攻めにうんざりした様子の研磨
『呼んだ~山本く~ん🎵』
山「ヒィッ!呼んでないですー!!」
ダダダッと走り去る山本
その山本を楽しそうに追いかける結月
孤「結月笑ってるねクロ」
「ああ」
結月が幸せになれるのなら両親の記憶は思い出さないままで良い
おじさん達には悪いと思うが結月の笑顔を俺は護りたい
だから暫くはこのままで見守っててくれ