第7章 ダークグレー
季節は冬
もうすぐクリスマスがやって来る
駅前にある大きなお店に
鉄朗と研磨も一緒に出掛けてきた
『研磨と一緒に出掛けるの久々だねー』
黒「まあ~受験生だしな」
孤「ねえ、本屋行きたいんだけどいい?」
『いいよ~私も雑貨屋に行きたいし』
黒「俺はスポーツショップに行って来る」
『じゃあ1時間後にここに集合で!』
黒、孤「「了解」」
鉄朗は6階のスポーツショップ
研磨は7階の本屋
結月は8階の雑貨屋
目的の階まではエレベーターで行こうと乗り込み
閉まるのボタンを押そうとした
男「あっ!!乗ります!」
慌てて開くのボタンを押した
男「すみませんありがとう」
『いえ、何階ですか?』
男「8階をお願いします」
扉が閉まりエレベーターが動き出した
男は奥に乗り込みエレベーターの表字板を見つめていた
黒「それじゃあ研磨後でな
結月なんかあったら電話しろよ」
『分かってるよ』
6階に着き鉄朗が降りていく
孤「行ってくる」
『用事か終わったらこっちに来るね』
7階で研磨とも別れエレベーターの扉が閉まった
鉄朗と研磨が降りて男と二人
8階に到着しエレベーターの扉が開く
結月は降りたが男は降りる気配はない
ん?8階で降りるって言ってたよな??
チラッと後ろを振り返ると
目があい男はにっこり微笑んだ
男「またね、結月ちゃん」
エレベーターの扉が閉まる瞬間男は言った
.....今の...なに?
"またね、結月ちゃん"
男は確かにそう言った
しばらくの間エレベーター前で固まっていた結月だったが
階段を使い急いで鉄朗が居る6階までかけ降りた
黒「どうした結月?」
息を切らし鉄朗のもとにたどり着くと
何事かと心配そうに見つめられた
『欲しかった物が売り切れてたからこっちに来たの』
黒「そうか、残念だったな」
『また見に来るから大丈夫!?』
平静を装い返事をしたが心の中は不安でいっぱいだった
その日を境に結月は視線を感じるようになった