第19章 "飛べ" 黒烏
「「「いーぞォーいーぞォ青城ーッ」」」
「「「いーぞいーぞ青城!!押せ押せ青城!!」」」
第3セットが始まった
セットカウント1対1になって
青城にも余裕が無くなってきたのか
青城の応援のボリュームが上がる
1.2セット目の学習を活かし
同じミスは繰り返さない
流石に3セット目までくれば
相手の攻撃パターンにも慣れて来た
落ち着いて対応し"ちゃんと戦えている"
ラリーが続く
なかなか一発が決まらない
結月はこの試合の結果を知っている
どんなに応援しても
どんなにみんなが頑張っても
烏野は試合は負ける
それでも応援しなきゃ
みんな勝つために頑張ってるんだから
わかってはいるが声がでない
柵を握りしめる手に力が籠る
岩「Σレゥフトォオ!!!」
『Σ!!』
日「大王様のっバックアタック!!?」
少しずつ確実に開く点差
じわじわと現れるチームとしての地力の差...
『がんばれ』
今コートでは日向がコートの横幅を
めいいっぱい使って攻撃をしている
ワイドブロードだ
落ちないボール
バレーとはとにかくジャンプ連発のスポーツだ
重力との闘いでもある
囮で跳び ブロックで跳び スパイクで跳ぶ
更にラリーが続けばスパイクからブロック
ダッシュで戻ってまたスパイクか囮
短いスパンで何度も何度も繰り返す
長いラリーが続く時
酸欠になった頭で思うのは
"ボールよ早く落ちろ" "願わくば相手もコートに"と
日「Σ持って 来ォォオい!!!」
日向はそんなこと思ってないみたい
岩「っフリーで打たしてっ
たまるかっ!!!」
コートの横幅めいいっぱい使った後の中央突破!!!
岩「くっそ...!!」
松「スマン完全に釣られたっ...!」
これで同点青城に追いついた
そしてここで青葉城西高校1回目のタイムアウト