第3章 夢の中へ。
おっと…追いかけなくちゃ…
急いで少女達の後を追った。
その時…全体の景色がぐにゃりと不自然に歪んだ。
「ありゃ…移動しちゃったかな?」
これは、場面が変わった瞬間に起こる現象。
すると、すぐ目の前に、さっき満面の笑顔を
浮かべていた少女が泣きながらうずくまっていた。
「そうか。もうケンカをした後か…。」
ケンカの内容は彼女自身が忘れてしまったのか、
無意識にも他人に見せたくないのか…
そうして、私は幾つも場面を超えて、
しばらく彼女の夢の日々を見せてもらっていた。
二人の少女は、出来てしまった溝と、心の距離を
埋める事が出来ずに小学校も中学校も卒業してしまった。
今は、ただ見るだけ…まだ、見るだけ。
また場面が変わった…
「あっ…同窓会だ。」
ようやく、今の彼女に会えた。
そして、かつての親友の今の姿にも。
お互い気になっているのに話かけられない…
本当に見ていて…もどかしかった。