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【ハイキュー!!】月と影の奏で R18

第9章 有明月


[プーップーップーッ]
間抜けな機械音がいつまでも耳元で鳴っている。

何なんだ…?
何で…王様が和奏の側にいるんだ?

2人が付き合っているから…?

今更、今日の午後に何があったのか、もっとしっかり聞いておけば良かった…と後悔する。

王様は僕達の関係の事を知っているのだろうか。

いや、そんな事より…
和奏は王様の事が好きなんだろうか。

そこまで考えて、目の前が暗くなるのを感じた。
身体が自分の物じゃないように重たい。

さっきまで僕の腕の中に居たのに、
今は電話で話す事も叶わない。

ちゃんと謝っていれば。
もっと早く気持ちを伝えていれば。
何で僕はいつも過去を悔いる事しか出来ないんだろう。

和奏…声が聞きたい。
笑った顔が見たい。
隣に居たい。

そんな願いは、もう全部叶わないのだろうか。
和奏の居ない世界なんかじゃ、生きていけないと気付いたばかりなのに。

気が付いたら空が白んで、
太陽が周りに色を与えていた。
いつの間にか夜が明けたんだ。

いつも通り…朝練前に和奏を迎えに行こう。
もしかしたら家に王様がいるかもしれない。
そんな事よりも、一目でも和奏に会いたい。
声が聞きたい。

和奏の家の合鍵を片手に、僕は自分の部屋を後にした。
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