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【ハイキュー!!】月と影の奏で R18

第17章 満月


「影山、今日は皐月さんと一緒に来なかったのかー?喧嘩ー?」

体育館に日向くんの声が響く。

「おっ、喧嘩か?」
「チャーンス!!」

何故だか西谷さんと田中さんが盛り上がっている。

私は少し気まずい話題で、影山君から視線を外した。
影山くんとお別れをしたのは今朝の事だ。

私が一方的に悪いのに、一つも私を責めることのなかった影山くんを思い出すと…胸がいたむ。
そして、この痛みさえも自己中心的なものだなぁと思う。

それでも…チラッと蛍の方を見ると、蛍もこちらをじっと見ていた。
あの後、影山くんとどうなったのか、蛍にもまだ話せていないのだ。

「俺、皐月とは別れました。」

体育館に居た全員に聞こえる様な宣言だった。

「「「え?」」」

体育館に居た全員が影山くんを見て、そして、盗み見るようにこちらを見た。
いや、流石に盗み見るのは状況的に無理だろうけど。

わーわーと盛り上がる中で、感の良さそうな何人かの先輩達は蛍の方を確認してる。

当の蛍は、騒ぎには我関せずな様子でストレッチをしていた。

「和奏ちゃん」

騒ぎを聞きつけた潔子先輩がこちらに駆け寄ってくる。

「あの…すいません。お騒がせして。部活には影響のないように心掛けます。」

部内で付き合って、別れた上に、気まずくなりました…では、周りに迷惑だろう。

マネージャーを続けろと言ってくれた影山くんの期待を裏切らない為にも、しっかりやらないと。

潔子先輩にペコっと頭を下げる。
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