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【ハイキュー!!】月と影の奏で R18

第15章 三日月


「和奏…。」

ただ夢中だった。
今まで何度もキスをして来たけど、
そんなものとは比べものにならない。

和奏の心に直接触れるような、そんなキスだった。

その時、気付いてしまった。
自惚れかもしれない。
でも…和奏も僕の事が好きなんだ…。

この状況が…
彼女の瞳が…
絡み合う口付けが…
全てが雄弁に語っている。
好きだと。

ゆっくりと唇を解放しても、和奏はこっちを真っ直ぐ見つめている。

「蛍…。あの…私…ごめん。」

キスをした事だろうか?
それで謝らないといけないなら、
僕が今までやってきた行為は土下座でも許されないだろう。

そんな言葉よりも伝えたい事がある。
そして、聞きたい事があるんだ。

「許してもらえる為なら、何でもするって言ったところだよ。このくらいで怒るはずないでしょ…。それに…」

僕は和奏の事が好きなんだから。
そう続けようとして、突然和奏の言葉に遮られる。

「蛍!」

何だか必死な様子の和奏。

「…なに?」

「あの…その先は…今は聞けないの。」

ほら。
今なら和奏の考えている事は全部わかる。

和奏はわかってるんだ。
僕が好きと伝えようとしている事。
僕が和奏の気持ちに気付いている事。

その上で、今は聞けないと言っているなら、理由は一つだ。

まだ、涙でグズグズな和奏の頭をポンポンと撫でる。

「僕こそ…ごめん。待ってていいの?ってか、ダメって言ったって、いつまででも待つつもりだけどね。」

和奏が王様との関係をきちんとするまで…
どれだけだって待てるよ。

今日の僕は何で、こんなに素直なんだろう。
前の雷の日とは全く違う。

和奏が泣きながら首を縦に大きく振っている。
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