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【報道系】夢小説

第1章 【Forever mine:増田貴久】






母親に車を返すために
私たちは一旦、実家に戻って。


ひさくんはここまで来たのに
挨拶できないのが心苦しい
なんて言ってたけど、私から断った。
だけど、その気持ちがやっぱり嬉しくて。


その後の私たちはというと、
深夜バスで東京に向かっている。


深夜バスなんて拘束時間長いけど、大丈夫なの?
って心配したら、
みんな早く寝たくて人のコトなんか見てないし
意外と、抜け穴なんだよ。って教えてくれて。


休憩の度に食べ物や飲み物を買ってきて
美味しそうに頬張りながら私に勧めてくる彼。


―――愛しくて、泣けてくる…。


「……逃避行みたいだね。
ホントに全てを捨てて
逃げ出せるなら、どんなに―――…」


なんて言いかけた彼の手に
そっと、手を重ね合わせる。


「……今日ありがとう。
ごめんね、無理させちゃって。」

「……全然? むしろ、オレのわがまま。」

「ふふっ。でも…、ありがとう。
今日のデート、私…、一生忘れないから。」

「……オレも。
つうか、忘れられるわけ……っ。」


私たちは手を重ね合わせたまま
肩を寄せあって
ただ、温もりを感じあって…。


ただただ、
勿体ないから起きていて……。


隣に居られる幸せを噛み締めていたら、
あっという間に、目的地に着いていた。


「恵麻ちゃん、帰ろ。」


手を繋いだまま
足早にタクシーに乗り込む。




―――帰る。


あの家に帰ることが出来るのは
これが、最後……。


そして、一緒に帰るのは初めてで。
最初で、最後の………。




そんな私の心の声を読み取ったかのように
彼が言葉を紡ぐ。


「………今まで、ごめん。
我慢させてばっかで。。。」


「やだ……謝らないでよ。笑
それにね、ここ一週間で私、思ったの。

同じ方向を向いてさえいれば、
我慢じゃなくて、協力になるんだって。

だから、我慢して別れるんじゃないの。
貴方の夢に協力したいから別れるの。

これからの貴方のコトもずっと、見てる。
心はずっと側にいるから……。

ね? だから……、頑張って。
今日の私達のためにも。

こんな別れがあっても、いいと思わない?笑」




そう言いながら
オレを支え続けてくれた笑顔を見せてくれる
お前に敵う日なんて………




来るはずがないんだ―――…。






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