第5章 トラウマ
篤「あー、笠原には柴崎が、手塚には小牧がフォローしてるだろ……たぶん」
『え?たぶん?』
篤「お前が出てった後俺もすぐ追いかけたから…な」
教官がボソッと呟く。
『ん?教官今なんて?』
篤「いや、なんでも。さて、佐々木も元気出たようだし、戻るか」
教官はすくっと立ち上がると手を差し出した。
その手を握ったら引っ張ってくれる。
『…このまま手繋いで戻ります?』
篤「あほか!んなことするか!」
パッと手を離しそそくさと歩いていく。
ちぇっと舌打ちして、教官を追いかける。
『あ・・・』
教官の耳が赤く染まっていた。
照れ隠し?そう思いながらわたしは横に並ぶ。
ちょっとは、脈があるのかもしれない。
チラッと教官の横顔を見て、わたしは教官に対する想いを心に募らせた。