第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
「……ぁっ…」
ユーリが振り下ろした刀はローの首元スレスレで止まった。
「……ユーリ?」
こない衝撃にローは目を開くと、目の前には青ざめた表情のユーリがいた。
驚き目を見開くローは、ゆっくりと地面に落ちていく。
そして再び彼女の元へ向かおうとした時、信じられない光景が目に入った。
「…っ!?止めろ!!」
ローの叫び声に、彼女は悲しそうに笑った。
ユーリの手には、刀が逆手に持たれている。
グシャッ!!
ユーリは迷うことなく、己の身体に刀を突き刺した。
その瞬間、辺りに飛び散るおびただしい血の量。
再生の力は、発動されなかった。