第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
ユーリが目を覚ました次の日、なんと今度はローが倒れた。
倒れたと言っても風邪であり、医者である本人がそう言うのだから間違いないだろう。
しかしその事実はハートの海賊団に戦慄を与えた。今まで体調を崩した船長を見たことがない彼らは、それはもう動揺した。
熱もそれなりに高かったので余計に心配したのだろう。
やれ薬はどこだの食事はどうしようかと、どこかの島に停泊するべきかと、クルー達が騒いでいた。
そしてそんな感じでローが休んでいる部屋の前で騒ぎ続けるから、ついに青筋を立てた本人が登場し怒りの言葉を頂くことになった。
その後は落ち着きを取り戻したクルー達だが何かと世話をしにやってくるので、最終的には部屋に立ち入り禁止になった。
立ち入り禁止のメンバーにはユーリも含まれていたのだが、流石に食事くらいは運ばないと駄目だろうとなったので、その辺りの世話をユーリが任命されたのだ。